2006-07-01から1ヶ月間の記事一覧

原作を超えた秀逸なアレンジ

劇場鑑賞中、これは!と膝を叩いたのは、原作には無いアレンジのうち、クモの城の外で佇む「影のアレン」の存在です。剣を持って追いかけて来たテルーに言います。 「僕は、アレンの中に居た光だ、アレンの中に居た不安はとうとう肉体をさらって行ってしまっ…

矢継ぎ早の質問攻め

映画を見終わった後、パンフレットと角川書店から必ず出ている「ガイドブック」を買ってお昼を食べたのですが、娘からは、矢継ぎ早に質問が飛んで来ます。 何故、アレンもゲドもみんな名前を二つ持っているのか どうして、クモは最後あんな風に膨らんでしま…

やっと娘に答えてやれそうな「死」のイメージへのメッセージ

6歳を過ぎた頃から、娘がしきりと 「死んだらどうなってしまうのか。」 と尋ねるようになりました。 自分にも覚えがありますが、自分と家族以外での社会的つながりが出て来始める頃(小学校低学年)「死」とは一体どんなものなのか、その存在にえも言われぬ…

ゲド戦記鑑賞記 その2

[ジブリ][ゲド戦記][映画感想] 映画館での鑑賞から一夜明けました。 昨日は思い浮かばなかった事が後から後からじわじわと、、心の中に現れてそれをじっくり反芻しています(笑)。 このはてなダイアリーの中でも同じ意見の方々に出会えて、やっとほっとしま…

新人監督にしか出来ないギラギラした瞬間

もう一つ、もしこの作品を駿監督が作っていたら、決してこの表現は出来なかったろうと思うシーンが後半のクライマックスにあります。(以下ネタバレ) 「今のそなたにはその剣は抜けまい。」 ゲドがアレンの持つ「魔法で鍛えた剣」を指してそう言いますが、…

吾郎監督にしか出来ない事

じゃあ、やっぱり「駿監督でないとダメ」かと言えば、そうでは無く、それまで父が苦手として来た表現を、吾郎監督は意外に難なくこなしている部分があります。それはズバリ「男女の仲」 「ラピュタ」の中で、パズーとシータが互いの体を紐でしっかり縛り合っ…

駿監督にしか出来ない事

駿監督の作品も近年「難解」なものが続いていますが、それなりに多くの層に受けるのは何故なのか。今までははっきりそうとは思わなかったのに、今回、吾郎監督の作品と対比して、初めてそれが何なのか気がつきました。「脇役」や「トリック・スター」の扱い…

なぜ酷評が多かったのか

冒頭にも書きましたが、Yahooの映画評掲示板を観ると、本当に酷い事ばかり書かれています。 説明が足りない 感情移入出来る部分が無くて観客は置いてけぼり 編集が良く無い 言葉で全て説明しようとしている etc ああ、ネットの掲示板は怖いなぁと思いました…

思い入れの強い「ゲド戦記」

この物語を読んだのは、20代前半の頃。有名な心理学者である河合隼雄氏の著書の中でその存在を知り、興味を持ったのがきっかけでした。読み始めたら、たちまち虜です。もっと早くに読みたかったとも思ったけれど、今振り返ればいつ読んでも、その時々に共感…

ゲド戦記鑑賞記 その1

[ジブリ][ゲド戦記][映画感想] 本日、公開された「ゲド戦記」(スタジオジブリ作)を早速観て来ました。 誰が何と言おうと、心に残る作品だと思います。 (直前に、Yahooの映画評書き込み何て読まなければ良かったと激しく後悔。あまりに酷くこき下ろされて…