凛々しい若者

[ゲド戦記][高校野球]
ゲド戦記とは全く関係無いが、今日の高校野球勝戦(再試合)のニュースを観て、早実のエース斉藤投手にとても感銘を受けた。
最後に投げた決め球は、何度見ても「しびれる一球」で持てる才能と気迫がこもるとは、まさにこの事だと思った。今時、これほどに「凛々しい」というに相応しい若者が居るのだと、嬉しくなる。
野球の事は、主人から聞く程度で、それほど詳しく無いが、「本当にいい投手」は何人も居ないのだと言う。バッティングはある程度の練習で、今や全体のレベルが上がっているそうなのだが、投げられるかどうかは、まさに「天からの授かり物」を持つ逸材の発掘にかかっているらしい。
斉藤投手は、その「授かり物」を鍛錬したのだろう。
どんな場面でも、表情を崩さないクールフェイス、「涼やかな顔立ち」とはまさに、彼の様な面立ちで、「パッ」と最初に見た瞬間「おお、この子は!」と思った所、案の定女性ファンは多いのだそうだ。このルックスとこの実力である。女性が心惹かれない訳が無い!
しかし、何となくそれだけでは無い「何か」が彼にはあるように思う。すっと一本通った筋の様な物を感じるのだ。彼は自分の「才能」だけに埋没して居ない、恐らくこの年になるまで鍛錬を積み重ねて来たのだろう、その積み重ねをとても素直に、自分の中に消化させている。何となくだが、「ゲド戦記」原作のアレンを思い出した。(映画のアレンとはちょっと違うかな)
「天からの授かり物」は「ゲド戦記」で言う所の、「魔法の才能」と似ている。
斉藤投手は、その才能故、これから沢山の進路を提示されるだろう。そして、恐らくこれからも野球の道に精進するのだろうが、才能を持ったが故の苦しみも味わうに違いない。そして、この才能がどんな風に「味のある」ものへと変化して行くのか、とても楽しみである。
高校生故の初々しさと凛々しさは、世の中を知れば知る程、変化せざる終えなくなる、でも、いいではないか、と私は思うのだ。あれほどに輝いたのだ、この夏彼が得たものは「優勝」だけでは無いはずだ。
毎年よく思うのだが、この季節は「若さ」が眩く羨ましく思う。